このたび、環境省「令和7年度アジア水環境改善モデル事業」において、(公財)地球環境センター(GEC)が代表事業者として提案した「ベトナム国 活性酸素技術を用いた繊維染色産業の水質改善事業」が採択されました。
ベトナムの繊維染色産業では、工場の排水規模が大きく、難分解性有機物や着色水の除去に課題があるため、排水基準(COD、色度等)の遵守が困難な状況です。本事業では、WEFの活性酸素技術を活用し、これらの物質を効率的に分解することで、周辺水域の水環境改善を図ります。
本年度は実現可能性調査(FS)を実施し、事業計画書の作成等を行います。実現可能性が評価された場合、次年度以降に実証事業へ移行する予定です。
■ 実施体制
【日本側】
- (公財)地球環境センター(GEC)〈代表事業者〉
- WEF技術開発(株)
【ベトナム側】
- ベトナム科学技術アカデミー エネルギー環境科学技術研究所(VAST-ISTEE)
■ 実施内容
繊維染色産業が抱える排水の現状と課題、技術ニーズを調査しつつ、関係者に対して本提案技術による水質改善効果や有効性を示し、現地での受容性や適用可能性を確認します。
■ 技術の概要
- 活性酸素生成装置は、独自開発した特許技術であり、オゾンとの混合によって生成されるヒドロキシラジカルにより、分解が困難とされるPFAS(有機フッ素化合物)も分解可能な、世界有数の技術です。
- 色度とCODの低減は非常に難しく、ベトナムではこれまで日本の大手企業を含む多数の企業が処理提案・挑戦してきましたが、効果的な方法は未だ確立されていません。WEFの活性酸素処理技術は、低コストで多量の活性酸素(ヒドロキシラジカル)を供給できる革新的な技術であり、これにより低コストでCODと色度を同時に低減することが可能となります。
- 水分野においては、難分解性有機物の分解や脱色に高い効果を発揮するため、これらの課題を抱える染色排水等に本技術を適用し、現地の課題解決に貢献します。