下水汚泥はなぜこれほど発生するのですか?

 


 下水排水の処理法は活性汚泥法と呼ばれています。これは100年余り前にイギリスで開発された方法で、有機物(糞尿)を微生物に食べさせて処理します。この方法は、ほんの少し前までは、理想の処理方法といわれてきました。なぜなら、水槽を作ってそこに下水を入れ、エアレーションするだけで、世界中どこでも微生物が育って処理をしてくれるからです。ところが、最近は他にもっといい処理がないのか模索が続いているのが現状です。

その理由は、大量の下水を処理するために、微生物を多量に発生させています。すると、まず微生物を育てる大量のエアーが必要で、エアーを送るためにブロワーの膨大なエネルギーが消費されます。発生した微生物は、短期間に世代交代するので、その結果多量の余剰汚泥が発生することになります。環境の現代、この2つは大きな世界的問題です。下水汚泥は、名は汚泥ですがその中身は微生物の死骸なのです。