下水余剰汚泥をすべて燃料に

化石燃料に替わる新たなグリーン燃料の開発

日本の下水汚泥の現状


下水汚泥発生量(乾燥)

約220万トン/年(乾燥ベース)

 

ほとんどが埋立若しくは焼却処理

 

〈埋立〉

〈焼却〉

下水道からの温室効果ガス排出量の割合(国土交通省調査)

 


下水汚泥のリサイクル利用


〈下水汚泥のエネルギー利用状況(平成27年度)〉


年間約600億円の電力(約110万世帯分)

ポテンシャルの区分 賦存量 利用状況
下水汚泥

下水汚泥発生量

約220万トン/年(乾燥ベース)

発電可能量:36億kWh/年

→約100万世帯の年間電力消費量に相当

下水汚泥のエネルギー利用割合→約1割
下水熱

下水処理量

約140億㎥/年

利用可能熱量:7800Gcal/h

→約1500万世帯の年間冷暖房熱源に相当

下水熱利用の地域熱供給→3箇所
 小水力

発電可能処理場数

約920箇所

発電可能量:4300万kWh/年

→約1.2万世帯の年間電力消費量に相当

 小水力発電実施箇所→6箇所

下水汚泥をはじめとするバイオマス利用が成功していない理由


バイオマス利用 微生物利用:メタン、堆肥、エタノール等 熱利用:炭化、乾燥等

バイオマスは細胞で構成されている。

細胞の外側にある細胞壁(膜)が非常に強固

細胞壁は微生物でも、高温、酸・アルカリでも分解に時間がかかる

活性酸素は瞬時に細胞壁を分解する


活性酸素処理装置「α-Gaia」による余剰汚泥乾燥実証試験



①下水処理場汚泥

②「α-Gaia」に投入

③処理前

④20時間後


活性酸素使用の有無に伴う下水汚泥乾燥効率比較試験記録


〈活性酸素利用メリット〉

・乾燥スピードが早い:通常の1.5~2倍

・低コスト:乾燥性能が2.5倍

・総発熱量が非常に高い

▲24時間後 (左)活性酸素無し (右)活性酸素あり

活性酸素利用乾燥メリット


1)乾燥スピードが早い

余剰汚泥含水率

80%→15%以下にするのに、使用しない場合:1,5~2倍


2)低コスト:乾燥性能が2.5倍

乾燥性能
  活性酸素あり 活性酸素無し
乾燥速度  2.3kg/h  1.2kg/h
平均電力 2.1kWh/h

2.8kWh/h

乾燥性能 1.1kg/kWh 0.43kg/kWh
比較

1.1/0.43=2.56倍


3)総発熱量が非常に高い

20.98MJ/kg (JIS日本基準15MJ/ ㎏以上)

※ 20.98MJ/㎏  /  輸入一般炭 26.08MJ/㎏ = 0.8  (石炭の0.8倍の熱量がある)

  事業費 維持管理費 平均発熱量
炭化 約40億円 2.22億円 13.7MJ/kg
油温減圧乾燥 約49億円

2.9億円

22.8MJ/kg

造粒乾燥 約13億円 1.3億円 17.6MJ/kg

〈下水道革新的技術実証事業 B-DASHプロジェクト 固形燃料品質〉

 15MJ/kg

 活性酸素利用乾燥の発熱量


乾燥汚泥利用


1)発電利用(スターリングエンジンによる発電、災害時の分散型発電)

汚泥発電システム      

汚泥ホッパー      

燃焼発電中


乾燥汚泥をホッパーに投入すると、自動的に燃焼室に送られ発電します。

発生汚泥(含水率80%×2t/日)の場合、乾燥・発電システムで 7kw/24h=168kw/日 発電可能

2)熱、温水、CO2利用(ハウス栽培等)

いつでも利用できる燃料として、袋入りで販売

もみ殻暖房機で乾燥汚泥利用

暖房

温水

CO2

化石燃料の代替利用