水道水は安全ですか?

 


 安全という定義は非常に難しいですが、日本では、消費者の多くは、安全といえば一切危険は存在しないという絶対安全を考えている人が多く、リスクの概念や消費者責任の意識に乏しいといわれています。水道水は今や何万人に配水されているので、平均的な安全という考えで供給されています。水道水の検査項目は決まっていて、それ以外の有害物質が混入していても、検査項目がクリアされていれば、安全な水ということになっています。

 また、日本人の絶対的安全志向にこたえるため(?)、給水所からどんなに遠い末端の蛇口でも、次亜塩素酸ソーダ―(殺菌剤)の検出が義務づけられています。次亜塩素酸ソーダ―は瞬時に菌を殺す非常に強力な殺菌剤で、給水範囲が広くなればなるほど、給水所から出る時の次亜塩素濃度は高くなり、給水所近くに住む人は高濃度の次亜塩素が入った水道水を飲むことになります。

 水道原水を取水する場所によっても有害物質の量が変わりますし、微生物も分解できない難分解性有機物(この解明も進んでいない)も増えています。また夏には発がん物質を持つアオコの発生もあります。これから水道水としての浄化は非常に難しくなると思われます。

 しかし一方で、市販されているミネラル水は水道水ほど厳格に分析・管理されていません。どの水をどのように摂取するかは、消費者それぞれが自己責任で決める必要があるといえます。