Go-Tech事業とは 特定ものづくり基盤技術及びサービスの高度化等に関する指針に基づき、特定ものづくり基盤技術(情報処理、精密加工、立体造形等12技術分野)に関する研究開発や試作品開発等の取組みを支援する国の補助金事業です。期間3年で、総額2億円利用できるため、今までにない新たな技術開発に本格的に取組めます。
【計画名】スーパーオキシドアニオンと過熱水蒸気による有機性廃棄物から高純度カーボンを得る酸化還元プロセスの開発
近年、サーキュラーエコノミーの実現に向けた資源循環の高度化が重要課題となっている。我が国においても「再資源化事業等の高度化に関する法律」の施行により、廃棄物の再資源化および循環利用の高度化が政策的に推進されている。このような背景の中、炭素を主成分とする有機性廃棄物は、資源循環の観点から重要な対象である。
固体状有機性廃棄物は、大きくバイオ系廃棄物と合成高分子系廃棄物に分類される。前者には生ごみ、農業残渣、木質系廃材、紙類などが含まれ、後者には廃プラスチック、ゴム、タイヤ、合成繊維などが含まれる。これらは発生源や性状が多様であり、単一の処理技術で対応することが困難である。
現在、有機性廃棄物の再資源化手法のうち、マテリアルリサイクル(MR)は廃棄物自体の汚染や劣化進行度、異種材料の混入等による品質低下問題があり、適用できない場合が少なくない。また、バイオ系廃棄物への適用は困難である。日本においてはMR適用困難な廃棄物の多くが焼却処理(TR)に依存しているのが現状である。しかし、TRは資源循環の観点では価値回収効率が低く、脱炭素社会の実現に向けては限界がある。
一方、ケミカルリサイクル(CR)は、廃棄物をモノマ-分子レベルまで分解するか、または再重合前の原料として回収する技術であり、高度な資源循環を実現し得る手段である。しかしながら、現状では処理コストの高さやエネルギー多消費、対象廃棄物の制約などにより、普及は限定的であり、日本国内における実施割合は低い。
このような状況から、多様な有機性廃棄物に適用可能であり、かつ低エネルギーで高効率な資源回収を実現する新たなCR技術の確立が強く求められている。
新技術の特徴と目的は,第一に、スーパーオキシドアニオン(SA)を利用した低温分解技術により、従来の熱分解法(500~700℃)と比較して100~300℃程度の低温域において自己反応熱を利用した分解を実現し、エネルギー消費を大幅に削減できる点に優位性を有する。この時に,SA に過熱蒸気(SHS)を混合することにより,分解反応速度を大幅に増進することができる。 第二に、従来のCRの主流プロセスがオイルやガスを主生成物とするのに対し、本技術はカーボンやシリカ等の固体有用元素を高純度で回収することを主目的としており、生成物の高付加価値化が可能である。 第三に、バイオ系廃棄物と合成高分子系廃棄物を含む多様な固体状有機性廃棄物を対象とし、混合状態でも処理可能である点で、既存技術に対して高い適用柔軟性を有する。
