WEF技術開発、切削加工洗浄の循環型プロセス実現へ ― AOS技術による新たな可能性を確認

― W-Gaiaによる油除去・洗浄水再利用の基礎試験で有望な結果 ―

WEF技術開発株式会社(滋賀県)は、独自のAOS(Advanced Oxidation System)技術を用いて、金属切削加工後のワークに付着した切削油を除去する基礎試験を実施し、大きな可能性を確認しました。

 

金属加工産業では、切削加工後のワーク表面に付着した切削油や加工油を除去するため、多量の洗浄剤が使用されています。これらの洗浄液は使用を重ねることで油分や金属粉を含む廃液となり、多くの場合、産業廃棄物として処理されています。このため、企業では洗浄剤の購入費用だけでなく、廃液処理費用や管理コストも大きな負担となっています。また、循環型社会の実現やSDGsへの取組みが世界的に進む中、洗浄剤使用量の削減や廃液発生量の低減は、製造業共通の重要課題となっています。

 

WEF技術開発株式会社では、この課題に対し、AOS(活性酸素酸化分解)を利用した装置「W-Gaia」で、新しい洗浄プロセスの可能性について基礎実証を行いました。

 

・OH(ヒドロキシラジカル)は、油分のC-C結合を瞬時に分解します。しかし、・OHは瞬時に消滅するため、今まで制御や産業利用は難しいとされていました。今回、WEFでは特許技術で空気中酸素から多量の・O2(スーパーオキシド)を生成させ、これにO3(オゾン)を混合してオゾニドイオン(イオン化したオゾン)を生成させ、これをMB(マイクロバブル)等に入れて、水中のワークと接触させました。水中でバブルが破裂して水と接触すると、オゾニドイオンはすぐさま・OHになります。


【洗浄試験

今回は、20L、50℃のお湯に、オゾニドイオンを散気管で水中にエアレーションし、そこにワーク(加工管)15本を網かごに入れて15分上下させました。


【洗浄結果】

① 洗浄確認方法

  ワークの内側・外側の油分をメタノールで抽出し、抽出液をガスクロマトグラフ・質量分析装置(GC/MC)で測定しました。

 

② ワーク洗浄後の水の油分濃度も分析しました。

  また、処理後の洗浄水をそのまま24時間AOS処理して、洗浄水が持続使用可能かの確認をしました。


【考 察】

今回実施した試験では、AOSバブルを用いて油が付着した金属ワークを洗浄した結果、ワーク表面の油を大幅に除去できることを確認しました。

また、ワークから洗浄液へ移行した油分についても、24時間のAOS処理により大きく低減する結果が得られました。

 

本試験は、AOS技術が

●金属ワークから油を剥離する機能  洗浄液中へ移行した油分を酸化・低減する機能

の双方を有する可能性を示すものです。

 

今後は、

超音波との併用による洗浄性能向上  洗浄液の長期循環利用  洗浄剤使用量の削減  廃液発生量および産業廃棄物削減
金属材料への影響(防錆性・表面性状)の評価

について実証試験を進め、環境負荷の少ない新しい金属洗浄技術として実用化を目指します。

 

 

WEF技術開発株式会社では、切削加工、部品洗浄、自動車部品、航空機部品、精密機械、半導体関連企業などとの共同実証を進め、洗浄工程の省薬品化・循環利用・脱炭素化への貢献を目指してまいります。